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■ シマリスの飼育

ふさふさとした尻尾、黒目がちな可愛らしい瞳、陽気で活発なシマリスはハムスターなどと同じげっ歯目に分類されます。しかしながら、夜行性のハムスターとは異なり、昼行性のシマリスは明るい時間帯に元気に跳び回る姿を観察できます。
普段とてもよくなついたとしても発情期になると気が荒くなる個体もいるので、注意しましょう。
日本にペットとして輸入されているシマリスのほとんどが野生からの個体ですので、口移しによる給餌などの過剰な必要なスキンシップは慎まなければなりません。そして野生動物を飼育しているという心構えをもって末永く付き合って行きたいものです。




・ケージ
本来シマリスは樹上を飛び回り、地上ではドングリなどの食料を探しまわって生活をしています。ケージの中も実際の生活に似た多彩な環境を用意してあげることが重要です。高さがあり、立体活動ができるケージが適しています。また底面積も最低50センチ四方くらいあるとよいでしょう。実際にはリス専用のケージを用いたり、大きな鳥用のケージを利用したりできます。ケージの底の網は、足や爪を挟んでケガをすることもあるので取り外して、牧草などの床材を敷き詰めるとよいでしょう。最近市販されている2階建てや3階建てのケージはそのまま利用できますが、鳥用のケージなどでは止まり木を設置してあげると木の枝のようで三次元的な運動をすることができます。ケージの開閉口は、鼻先を器用に使い逃げ出すこともあるのでナスカンなどでしっかり留めておく必要があります。ケージの中を縦横無尽に飛び回るので、高さも底面積も広いにこしたことはありません。

・巣箱
シマリスは樹洞や地中に巣穴を作る動物ですので、ケージ内にも巣箱は必要です。巣箱はケージの上部か底面もしくは両方に設置します。リス専用もしくは鳥用の木製で通気の良い巣箱が適しています。、巣箱がそれぞれに行き渡らないとケンカをしてしまうので飼育頭数ぶんだけ巣箱は用意します。
巣箱は、かじっても害のないように木製のものを用意します。また巣箱とは別に木の枝などをいれておくと歯の摩耗を期待したり、ストレス発散になります。かじられてしまうので、消耗品として考えましょう。

・トイレ
シマリスは、決まった場所で尿をする習性があるので専用のトイレを置いておくとそこでするようになります。トイレはケージの隅に陶器製のものを設置します。しかし、匂い付けのためにあちこちに尿をすることもあります。トイレ用の砂は、固まるタイプの砂だと飲み込んで胃腸の中で固まり、腸閉塞を起こすこともあるので使用できません。固まらないタイプの砂を選びます。

・水入れ
床におくタイプのものでは、水浴びを行ってしまったり糞尿や餌の混入で汚れてしまうので、給水ボトルを使用します。ボトルや吸い口は囓られてしまうので丈夫な素材を選びます。長い間ボトルに水を入れておくと細菌が増殖するのでこまめに交換するようにします。

・食餌
野生下のシマリスは、木の芽や種子、昆虫、ドングリ、果実などを季節に応じて食べる雑食性の動物です。飼育下では、小鳥や鳩の餌、リス用のペレットなどが主食として適しています。嗜好性の高いヒマワリの種を多く与えてしまうとそればかりを好むようになってしまい他の餌を食べなくなってしまいます。また脂肪分を取りすぎて肥満になる個体もすくなくありません。一日に数個おやつ程度に与えます。
その他、副食として小松菜、チンゲン菜などの緑黄色野菜、果実などを与えます。
成長期、産前産後の雌、夏場などは動物性蛋白質の要求が特に高まっているので、昆虫(コオロギ、ミルワーム)、チーズ、煮干しなどの動物性蛋白質を与えてもかまいません。


・飼育環境
飼育下の環境温度20~25℃ぐらいが適しています。温度が低くなりすぎると冬眠を誘発するとになってしまいます。中途半端な冬眠は体力を消耗させ危険を伴う場合もあるのでペットとして飼育するのであれば冬場も保温をして冬眠させない方が無難です。冷え込む時期になればエアコンやヒーターなどを利用して保温します。
シマリスは高温多湿の環境に弱いので、夏場はエアコンなどを利用して管理します。温度に関してはケージの中の温湿度が実際に何度になっているか温湿度計を設置するとよいでしょう。昼行性の動物なので、日照時間のリズムをつけるために(昼間はライトを点灯し、夜は消す)、太陽光に近い紫外線波長を出す蛍光灯をケージに取り付けるとよいでしょう。

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■ シマリス -総論-

●シマリスの分類
シマリスは、げっ歯目リス科シマリス属に分類されています。他にリス科の動物として主にムササビやモモンガ、ジリス、プレーリードッグなどが日本でペットとして飼育されています。
シマリスは、ロシア、中国、朝鮮半島などのユーラシア大陸北部と日本では北海道に生息しておりシマリスだけでも数亜種が知られています。主にペットとして飼育されている種類はチョウセンシマリスですが、最近ではペットとして飼育されていたシマリスが逃げ出し、本州などで帰化したり日本固有種のエゾシマリスのとの交雑が懸念されています。
 
●ペットとしてのシマリス
シマリスはいったん慣れると手乗りや肩乗りのペットとして楽しめる反面、性成熟に達し、発情すると急に触れなくなり噛みついてくる個体もいます。通常、秋口から冬にかけてこうした行動がみられます。
シマリスは単独で生活しており、冬眠中も1頭で過ごすので、この時期のシマリスは飼い主さんを自分のなわばりに入ってきた敵と認識しているのかもしれません。
シマリスを飼育する上で一つ理解しておかなければならないことは、ペットとして飼育されるシマリスの多くは野生下のシマリスを捕獲してきているといことです。したがって乱獲が進めば現地での生息数はいずれ減少していくことが考えられます。リスを飼育するにあたっては「野生動物を飼う」ということを十分に認識しておく必要があります。

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■ シマリス -はじめに-

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シマリスは、大きな尻尾を持ち軽快に木々を飛び跳ねる動物です。
愛らしい仕草や慣れれば手乗りや肩に乗せスキンシップをはかれるので、古くから人気の高いエキゾチックアニマルのひとつです。
一方、野生動物としての側面も持っているので、気性が荒くなったり、そのすばしっこさから部屋の中に逃げ出してしまうといったトラブルも多く見受けられます。
しっかりとした飼育ケージを用意してあげましょう。

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