ウサギの避妊手術について近年、ウサギさんは、ペットとしての地位を確立し、
専門店があちらこちらに出来るほどになりました。
これは犬、猫につぐ第3のペットといっても過言ではありません。
そんな背景もあり、ウサギの避妊手術に対する意識も高まっています。
また、ウサギは、高齢に生ると卵巣子宮疾患にかかりやすい、
大きな特徴をもっていることから、長く健康に飼う、という点では、
避妊手術は必須になりつつあるようです。
しかしながら、うさぎに麻酔をかけ、外科手術を行うことに
対し、多大に抵抗がある方が多く、手術はしたいけど、
麻酔が・・・・、という方も多くいらっしゃいます。
手術や麻酔のリスクに関して、事前によくお話しますが、
リスクは伴いますが、通常、健康な個体であれば、
問題になるようなリスクは、とても低いものです、と説明しています。
ただ、漠然と不安になるのではなく、
一体、ウサギの避妊手術は、どんなことをやるのか、
実際にご紹介します。
ガス麻酔を嗅がせることで、麻酔をかけます。
ガス麻酔は、自分の呼吸で吸い込むため、深くかけすぎる可能性はとても僅かです。

麻酔にかかって寝たところで、麻酔中に必要な心電図などを装着します。

毛を刈ります。

切開する部分を手術用消毒薬できれいにします。

手術開始です。ウサギの避妊手術時間は、通常1時間以内です。

お腹を閉じて縫い終わったところです。
埋没して縫合するため、ウサギが糸をかじったり、後の抜糸は必要ありません。
もちろん、包帯や、首につけるわっか(エリザベスカラー)の必要もなく、
麻酔から覚めたら、ごく普通の生活が可能です。

取り出した、健康な卵巣子宮です。
Uの字の左右、上の少し丸い部分が卵巣でそれ以下は子宮です。

以下、気持ちが悪い画像があります。苦手な方は、ご覧にならないでください。
腫瘍化した子宮です。とても大きく腫れあがっています。
通常、4~5歳を過ぎると、雌は大きな確率でこの病気にかかるといわれています。
当院でも、毎月数件の手術を行います。

手術するしないは最終的に飼い主さんが決定すべきことです。
「メスを入れるのは、かわいそうだからやらない」
「病気になったときに考える」なのであれば、
それはそれでもっともな理由と思います。
また、
「病気になってから、手術するのはもっとかわいそう」
「病気になるリスクは事前に食い止めたい」
というのであれば、
なるべく早めに手術するのが望ましいでしょう。
しかし、「何歳までにやらないともう遅い、やっても意味がいない」ということは、
は決してありませんので、やる気になったら、信頼できる獣医師に託す、
というのが一番よい選択と思います。